生々流転
すべての物は絶えず生まれては変化し、移り変わっていくこと。
「生生」は物が次々と生まれ育つこと。
「流転」は物事が止まることなく移り変わっていく意。
横山大観の代表作のひとつに全長40メートルにもおよぶ絵巻物で、国の重要文化財に指定されている「生々流転」があります。日本一長い画巻としても知られています。
天から降った雨の一滴が、やがて大河となって大海へ注ぎ出て、最後は飛龍となって昇天する壮大な物語です。
今回の作品は、彼が書いた「生々流転」の書です。
かなり大きな作品で、銀箔を貼った上に墨で書かれています。この文字も大観の描いた生々流転の絵巻物のように壮大で悠久な時を感じさせます。
銀箔の上に墨を乗せると、その色の淡い部分は下から銀箔が微かに見えて墨に銀が混ぜられているかのようなとても綺麗な風合いになります。
大観のお弟子さんにお話を聞いた事があるのですが、大観は墨にはこだわりかなり高価な明の時代の墨を買い求めて使っていたそうです。その墨のひとつをそのお弟子さんが引き継いで実際に書いてみたら、その書き味が素晴らしく発色が本当に良かったとおっしゃってました。
この横山大観の書。
壮大な物語の世界にあなたをいざなってくれます。
(文/青龍堂店主)
横山大観 「生々流転」
紙に銀箔 墨
106.5×96.5㎝
登録あり
横山大玄シール
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