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執筆者の写真青龍堂 店主

甲斐犬のクマ 山口薫



「クマとは甲斐虎という種類の日本犬で甲斐の国つまり山梨県の山の中にいる犬で猟師が猪や鹿狩りに使うときく。武田信玄のアダナは甲斐の虎といわれて近隣諸城主におそれられた、そんなところから甲斐虎と名づけられたのであろうか。」

                  山口薫



このクマに対する愛情あふれる文章が残っているのでいくつか載せたいと思います。


クマはどうしている

クマはひるねをしている

クマの目はつぶら

クマと暮すそんな気持

只クマをいくら描いてもかけない



クマは夢をみている

どんな夢をみているのか


クマはおれの姿だ

何かを待つ


なんかわからない只

クマが可愛くなってしまうのだ


クマを愛し

クマと死す



生きるのが不器用な画家と

画家以外に無愛想な犬との哀しくも幸福な7年間だったそうです。

1968年に60歳で亡くなった山口薫の後を追うようにその年の12月31日にクマも亡くなりました。


(文/青龍堂店主)


山口薫 「甲斐虎の子」クマ

1962年 キャンバス・油彩

53.0㌢×45.4㌢

鑑定あり

画集No.789

1962年第12回モダンアート協会展(東京都美術館)





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