岸田劉生の個展を観て、その劉生に師事した椿貞雄。同じ絵具や筆を揃えて画架を並べて写生していたそうです。「写実こそ永遠なるもの」という信条のもとに邁進していきました。
今回ご紹介するのはその椿貞雄の描いた椿、2作品です。
(椿貞雄「椿」青龍堂)
(椿 貞雄「椿花図」青龍堂)
観るものの心をぐっと捉えるかのようなこの力強い写実は、写真を追求し続けた椿貞雄の内なる美を感じさせます。
また、亡くなる前に入院中に見舞いにもらった椿の花を病床の中一気に描き上げたのがこの作品です。絶筆になりました。
(参考 絶筆 昭和32年11月)
(文/青龍堂店主)
作品情報
椿 貞雄
「椿」 昭和32年
板 油彩 42.6×16.3㎝
鑑定あり
「椿花図」 昭和29年
板 油彩 27.2×21.4㎝
鑑定あり
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