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執筆者の写真青龍堂 大木

須田剋太「常照皇寺桜」

今年の桜もだいぶ散り始めの頃になりました。


こちらの作品は須田剋太の「常照皇寺桜」になります。1986年に描かれて、87年の三越の展覧会の出品作品となります。


京都の常照皇寺には左近の桜、御車返しの桜と九重桜という名物の桜が3つあります。


左近の桜は岩倉具視によって京都御所から枝分けした桜になり、御車返しの桜は後水尾天皇が何度も車を返してご覧になったという逸話があります。


そして、九重桜は光明天皇が兄の光厳法皇に会いに訪れた際、御所から持ってきた桜になり法王自ら植えたとされる桜になります。樹齢は650年となる桜で非常に歴史のある桜になります。

(上記の画像は引用画像になります。)


今回の作品は九重桜を描いているものになります。その樹齢650年という長い年月を感じる作品の大きさや花の繚乱さを絵の具の盛り上がり具合から感じます。また、作品の所々に何かで削ったような部分があり、このような荒々しいマチエールが須田剋太の世界として魅了しています。




[作品詳細]

須田剋太「常照皇寺桜」

油彩・キャンバス

80.3×65.5cm

1986年

須田剋太鑑定委員会鑑定書あり



作品を実際にご覧になりたい方はお気軽にお問い合わせください。






(文/青龍堂 大木)

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