黒田清輝の大正6年「春の畑」
13.3×18.1cm 油彩・板
とても小さな作品ですがとてもよく描き込まれていて、魅力的な作品です。
この頃の黒田は大正9年に貴族院の議員になるなど、、公人として多忙な日々を過ごしているので、時間がなく小品が多くなります。
ただ絵に対する情熱は全く衰えず、
「私の欲を言えば、スケッチの域を脱して絵といふものになる様に進みたいと思う。」
と語っています。
心象を表現したいということでしょう。
この作品でも春の日差しの中の、のどかな光景がじわっと人の心を掴みます。
板の裏の左上には剥がれたシール跡がありました。調べてみると黒田が亡くなった1924年に遺作展が開催されていて、その出品のシールであることがわかりました。
近代日本洋画の父と言われた黒田清輝の魅力溢れる小品ですね。
(文/青龍堂店主)
黒田清輝「春の畑」
大正6年
13.3×18.1cm
油彩・板
東美鑑定評価機構
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