長谷川利行1937年作の「花」です。
花瓶に花という題材は珍しいのですが長谷川利行らしい速い筆致で色彩豊かに描かれています。
長谷川利行は1940年に49歳で亡くなります。こちらは46歳の作品です。
30歳で上京して36歳で二科展や1930年協会展で受賞と遅咲きでしたが、その誰に習ったとも知らない自由奔放な色彩溢れた作品は人々を魅了してきました。
ただ私生活は放浪生活をしていたので最期には身体を壊してしまいます。
そんな中で友人知人や街の喧騒を感じたままにキャンバスにぶつけて素晴らしい作品を残していきます。
今回の作品は珍しく花を描いていますがタッチと色彩が利行らしいです。また、お写真では伝わりにくいですが、全体的に品のよさが感じられるとても魅力的な作品です。
(文/青龍堂店主)
長谷川利行
「花」
油彩・キャンバス
1937年
41.0×32.0cm
東美鑑定評価機構あり
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